日光白根山(標高2,578m)は、群馬県と栃木県の県境に位置している、北関東以北で最高峰の山です。
歴史的には過去数百年以内では水蒸気爆発の噴火を起こした記録もある活火山です。
登山道は険しい部分もあり、修行を目的とした登山や信仰を目的とした登山がされていたと考えられています。
白根山の山頂を目指す登山でなくても、史跡散策コースや自然散策コースなどの遊歩道も整備されており、これらのコースは登山ほどのアップダウンはなく、距離も比較的短いので、より気軽に白根山の自然を楽しみたいという場合におすすめなコースです。
近くにある男体山はかなりしんどい登山になるらしく、地元の登山ガイドの方に聞いてみたら、まずは白根山に登ってみたらどうか、とアドバイスを頂いて、白根山の登山を決めました。
なので、男体山にチャレンジしてみたいと考えているが、どれくらい大変なのかが分からない?という場合は、白根山に(気軽に)チャレンジしてみるのもおすすめです。
ちなみに、登山のしんどさでいうと、白根山よりも男体山の方がしんどいそうです。
この記事では、日光白根山の各登山コース、頂上までの登山の様子、白根山登山における注意点を解説しています。
なお「白根山」という山名は日本各地に多数あるため、「日光白根山」と地名をつけて呼ばれることがあります。本記事で「白根山」とはすべて「日光白根山」を示しています。
日光白根山はきつい?!
はじめて日光白根山を登山してみた感想は、「思っていたよりも、きつい…」です。
登り始める前はロープウェイで中腹まで行けるし、そこまできついわけではないのでは…?と考えていましたが、少し甘かったです。
序盤の登り坂はゆるやかですが、「不動岩」を過ぎたあたりから、登りが急になっていき、岩場や木の根を手でつかんで登るような箇所も多数あり、森林限界を超えてから山頂までも、なかなか急な登り坂が続きます。
白根山登山で「きついな…」と思った瞬間は、ヒザを高くあげて登るような段差が随所に出てきたことです。
段差の高さがあると、登りは片足の太ももに効いてきます。下りではヒザに効いてきます。特に下りではヒザを守るように下りないと「ヒザが笑う」ことになりやすいです。
日光白根山にロープウェイを使わない登山ルートは?
日光白根山の山頂にロープウェイを使わないで登るルートもあります。
国道120号線沿いにある、「菅沼(すげぬま)登山口」から登るルートです。菅沼キャンプ村のすぐ近くです。
ほかに、歩く距離がより長くなりますが、湯元温泉から登るルートもあります。
菅沼登山口から白根山山頂まで行き、再び菅沼登山口まで戻ってくる登山ルートの標準タイムは、6時間10分です。
お昼ごはんや休憩を含めると、約7時間、さらに標準タイムよりも遅いペースなら8時間…と、そこそこ長時間の日帰り登山になります。
案内板にある休憩を含まない標準タイムをロープウェイを使うルートと菅沼登山口から使わないルートを比較してみます。
なので、レジャー登山として気軽に登りたい場合や体力にそこまで自信がない場合は、ロープウェイを使うルートが時間的に、最短になりますので、おすすめです。
逆に、1日の長時間をかけて歩き、白根山登山を楽しみたい場合は、菅沼登山口ルートがおすすめです。
今回実際に白根山に登ってみて、上記の案内板の標準タイムはけっこう早いな…とも思いました。
なので、上記の標準タイムはあくまでも目安で少し余裕をもって考えておくとよいかもしれません。
日光白根山・登山コース
今回の日光白根山(以下:白根山)の登山コースは、丸沼高原ロープウェイを利用して中腹まで登り、中腹から山頂を目指す日帰り登山コースです。
日帰り登山とはいっても、標準タイムで5時間?であり、昼食や休憩を含めると6時間は確保しておきたいコースになっています。
丸沼高原ロープウェイは、下りの終了時刻が通常営業の場合 16:30 なので、それまでにロープウェイ山頂駅に戻ってくる必要があります。
今回ご紹介する登山コースは、スタート地点~山頂をそのまま折り返すピストン登山です。
【スタート】丸沼高原ロープウェイ 山麓駅・ロープウェイ乗車-(15分)-丸沼高原ロープウェイ 山頂駅-ここから登山開始-(10分)-二荒山神社神社-(5分)-②ポイント:登山道入り口-(10分)-③ポイント:不動岩-(15分)-④ポイント:血の池地獄方面との分岐-(25分)-大日如来-(5分)-⑤ポイント:-(95分)-森林限界-(60分)-白根山山頂-(10分)-眼下に五色沼-(150分)-ロープウェイ山頂駅-(15分)-【ゴール】丸沼高原ロープウェイ 山麓駅
日光白根山 丸沼高原ロープウェイの山麓駅周辺の地図はこちらです。
コースマップ
ロープウェイに乗る区間も含めたコースマップです。
ロープウェイで一直線に標高2,000mまで上がります。その後、東方向に登山道を進み、進路を南方向に変えて、ぐるりと白根山の南側から山頂標高2,578mを目指すコースです。
丸沼高原ロープウェイ
白根山登山には丸沼高原ロープウェイを利用するのがおすすめです。
白根山の山頂まで、日帰り登山で行く場合には、ロープウェイを使わない場合は、菅沼登山口から登る方法もありますが、時間的・体力的により厳しい条件になります。
特にはじめて白根山に登る場合は、ロープウェイを利用した登山がおすすめです。
はじめて登る山は、自分がどれくらい疲労するのか読みにくいものです。でも、ロープウェイを利用すれば、帰りの下山が楽になる分、体力の温存や自己管理が多少雑になってしまっても心配が少ないことが利点です。
麓から山頂駅(といっても白根山の山頂ではない)までは約15分ほど。
しばらくの間、空中散歩が楽しめます。
高い場所からの眺めを楽しめることもロープウェイの魅力のひとつです。
ロープウェイ山頂駅
ロープウェイ山頂駅の標高はピッタリ2,000m。
山麓部の標高は1,390mなので、一気に標高610mを上がったことになります。
なんとなく、雲が近くに感じます。
ロープウェイ山頂駅から、日光白根山を望みます。
ここは標高2,000m、白根山の山頂は2,578m、標高差578mを自分の足で、往復で約5時間かけて登り降りすることになります。
ロープウェイ山頂駅には、足湯がありました。
ロープウェイ山頂駅にある飲食店
ロープウェイの山頂駅には飲食のできるお店が2軒あります。
天空カフェ
こちらは「天空カフェ」
山頂レストラン しらね
もう1軒がこちらの「しらね」です。
山頂レストラン しらね のメニューです。
”山頂レストラン”とは言っても、日光白根山の"山頂"ではなく、あくまでロープウェイの”山頂駅”にある、という意味です。
お腹がすいていると思わず食べてしまうメニューが多いです。
ロープウェイの最終にあわせてオーダーストップ、閉店時間が短めになっています。
二荒山神社
白根山の登山道の入り口手前に「二荒山神社」があります。
こちらが「二荒山神社」の本殿です。
こじんまりとした神社ですが、登山者らしき人達は皆そろって参拝してから、登山道へ向かっていました。
②ポイント:登山道入口
二荒山神社を見て、右手の方へ入っていくと、登山道へと入ることができます。
登山道の最初の方です。
ゆるやかな登り坂で、道幅もそこそこ広く、まだまだ序盤なので、
③ポイント:不動岩
しばらく歩いていくと、標識が出てきます。白根山の登山道は、分岐点には必ず標識が設置されており、どちらに進めばよいかわかりやすいです。
この標識を見て、右に歩いて行くと、不動岩が現れます。
不動岩を過ぎると、完全に登山道となり、段差が現れ登りになってきます。
この辺りから、1段ギアを上げる必要が出てきます。
④ポイント:血の池地獄方面との分岐
④のポイントを過ぎたあたりから、さらに1段ギアが上がり、登り階段・登り坂が増したように感じました。
大日如来
次に「大日如来」の案内版とお地蔵様が現れました。
⑤ポイント:七色平・白根山山頂の分岐
大日如来から歩くことすぐ、⑤ポイントに出ます。
ここは左に行くと「七色平」へ通じてその先にポイント⑥があり、右に行くと「白根山」山頂へ行く分岐箇所です。
ここを左に行くと七色平に着く手前に「避難小屋」あるようです。
今回は白根山の山頂を目指すので、右手に進みます。
白根山の登山道はほんの一部分だけですが、片側が崖になっている箇所があります。
ところどころ、岩や木の根っこを手でつかんでよじ登るような箇所があります。
道は険しいですが、まだまだガンガン登っていきます。
写真で見るとそれほどでもないかもしれませんが、この場面は「けっこう、急な登りだな~」と感じた場面です。
その場に立つと、ギアを1段上げないと登れる気がしません。
森林限界を超える
そうこうしていると、とうとう森林限界を超えて、周囲の見晴らしがよくなりました。
ただ、この日は同時に、霧も発生していて、このときは頂上部方面は真っ白になってしまいました。
少し小雨も降ってきていますが、そのまま頂上を目指して登っていきます。
少し霧(雲)がなくなり、見通しがよくなりました。
足元は石、砂、砂利で、滑りやすいです。
ついに、白根山の山頂に到着しました。
と思ったら、うっすら向こうに見えてきた最上部が白根山の山頂のようです。
白根山の山頂部の地形は複雑です。さらに、霧(雲)が視界を悪くしていたため、山頂の場所を誤認してしまいました…
しばらくして、くっきり見えてきました。
あちらが、本物の白根山の頂上です。
白根山の頂上
白根山の頂上は岩場でした。
ロッククライミングのように岩をよじ登り、標高2,578mの白根山山頂に到着しました。
今回の登山コースはスタート~山頂まで来たら、登って来た道をそのまま同じ道を下山するコースです。
山頂へ登っているときは気づきませんでしたが、回り込むと、五色沼が見えるポイントがありました。
太陽に照らされてエメラルドグリーンに輝いています。
登ってきた道を下山します。
登ってきたみちを下山して、ロープウェイの山頂駅から下りのロープウェイに乗ります。
ロープウェイは登りと同様に15分ほど下って、山麓駅に着いたらゴールです。
丸沼高原のベースセンター??には「座禅温泉」という名の温泉施設が併設されています。
それほど広くはありませんでしたが、リニューアル工事したばかり?で、とてもきれいで清潔でした。
注意ポイント
まとめ
登山・ハイキング以外では中禅寺湖でSUP(サップ)なんていかがですか。