富士山の開山時期は例年7月・8月・9月上旬で、その間に約30万人もの登山客が訪れます。
富士山は世界遺産に登録されてから海外の観光客もより一層と増え、例年の登山シーズンはたくさんの人が登る大変人気のある日本最高峰の山です。
富士山の登山客は子どもからお爺ちゃん・お婆ちゃんまで老若男女問わず様々な人たちが登っています。
登山が好きな人はもちろん、普段登山とは縁遠い人でも登ってしまう不思議な魅力のある山なのです。
では、富士山にはじめて登る人で、登山初心者の場合、どれくらいの体力が必要なのでしょうか?
この記事では、富士山に登るのがはじめての人で、登山の初心者の場合に必要となる体力について解説しています。
■富士山登山、初心者に必要な体力
富士山の登山に最低限必要な体力は、普段の生活で30分程度の歩行を日常的にできている体力です。
普段あまり運動しない人でも、山や高いところが好きで、長時間歩くことが苦でなければ、体力に自信がなくても登頂できる可能性が実は高いのです。
なので、富士山の登山に挑戦するために、並々ならぬ体力が必要かと言えば、必ずしもそうではない、ということになります。
ただし、最低限の体力ですと、富士山に登れるは登れますが、登山中に肩、腰、足が痛くなってきたり、登山後の筋肉痛に苦しめられるかもしれません。
つまり、体力がない状態で富士山に挑戦すると、登ることはできても、「疲れ」や「しんどい」が「楽しい」より勝ってしまうことで、「登るんじゃなかった・・・」という感情を抱いてしまうかもしれません。
そのため、富士山にはじめて登り、楽しい思い出を残したい!ということであれば、事前に体力づくりができるのであれば、しておいた方が断然いいと思っています。
■どれくらい歩くの?
では、富士山の登山で、どれくらいの時間を歩くのでしょうか?
富士山の登山ルートは主に4つありますが、その中で最も登山客の多いルートは「吉田ルート」です。
「吉田ルート」で富士山五合目を出発し、山頂まで登る行程では、標準タイムで登り「6時間10分」下り「4時間5分」の合計「10時間15分」歩くことになります。
標準タイムなので、体力がある人はより短い時間となり、体力のない人や高齢の場合はより多くの時間がかかることになります。
標準タイムの「10時間15分」は、休憩も考慮された時間になっています。なので、ずーっと休憩なしに10時間歩くのではなく、途中とちゅうでの休憩を含めての10時間というタイムになります。
富士山登山では日帰り登山よりも、山小屋泊登山が推奨されています。
そのため、山小屋を利用して1泊する行程であれば、2日間の日程で合計「10時間」歩く、という計算になります。
2日間かけての「10時間」であれば、「歩けそうだな!」と感じる人は多いのではないでしょうか。
■富士山の何合目がきつい?
富士山で最もきついのは、九合目から登頂まで、です。
個人的には、八合目から登頂までが総じてきつかったのですが、何合目がきついか?と言われたら、間違いなく九合目から登頂までになります。
九合目は標高が3,600mで、空気も薄く、登りはじめから一番体力が消耗しているからです。
九合目から上になると、立ち止まった状態から3歩足を進めると息が苦しくなってくるような状況になります。
ですから、本当にゆっくりゆっくり歩幅もせまくとって歩いていきます。
歩くと息が苦しくなる傾向は、若い人はあまり感じず、高齢になればなるほど息が苦しくなりやすいようです。
九合目ともなると、登るペースは人それぞれで、息をきらしても早めのペースで登り、その分1回の休憩時間を多く取る人と、息があがらない程度にゆっくりと歩を進める代わりに休憩はあまりとらない人にわかれます。
私の場合は、意識してゆっくりなペースで歩いていましたが、それでも頂上の手前の段差の大きい岩場を登るときに、若干の吐き気を感じてしまいました。
それからは、さらにペースを下げて、頂上手前では、10mくらい進んでは5分くらい休憩して息を整え、また進むという感じでした。
富士山では標高が高く空気が薄いため、頭痛や吐き気などの症状が出る高山病になってしまうこともあります。
標高の高い場所で、頭痛や吐き気の症状がでた場合、酸素吸引で体が楽に感じることが多いです。
酸素缶は、富士山にある各売店でも販売されていますが、ちょっと高めです。
なので、高齢な方や肺活量が小さめな方は、酸素缶をもっておくと安心です。
■富士山登山の装備重量
では、富士山登山の装備の重量はどれくらいなのでしょうか?
おおよそのザック(リュックサック)全体の重量は、3~4kgです。
荷物は、水2Lが一番重量があり(約2kg)、レインウェア、防寒着、ヘッドライト、日焼け止めなどの小物類などになります。
なので、富士山の登山では、重さが3~4kgのザックを背負い、合計約10時間歩くだけの体力が必要ということになります。
■体力以外に必要なこと
富士山の登頂に「体力」はそこまで本格的な必要ではないとしましたが、富士山の山頂まで登るためには、他にも必要な要素があります。
それは、「高山病」対策と「天気」、「装備と計画」です。
いくら体力があっても「高山病」の症状が重くなってしまっては登頂はできませんし、天気が暴風雨になってしまうと登頂は断念せねばならない状況もあり得ます。
さらに、体力的に登れることと、標準タイムで登れることは同じではありません。
富士山に登れたけれども、標準タイムよりも時間がかかった、ということも当然あり得ます。
特に空気の薄くなる八合目から上は、息切れしやすく、疲れもピークにくるところなので、標準タイムより遅れやすくなります。
「天気」に関しては、山の天気はとても変わりやすく、晴れていると思っていても急に曇りはじめ雨が降ったり、その逆もよくあることです。
富士山などの高山の場合、天気予報は晴れでも、雨が降ることもままあります。9月になると、山頂部では降雪が見られることもあります。
富士山山頂部の最低気温は8月の一番暑い時期でもひと桁台で、そこに雨と風速20mが加われば体感温度は厳冬期並みにもなり得ます。
そのため、しっかりした「装備と計画」が必要になってきます。
装備は、年齢や登山熟練度、登山の目的や山行スタイルで個々に変わってきますが、必要な装備はもちろん、いざという時でも自分の身を守れる装備を整えたうえで登山する必要があります。
計画は富士山登山初心者には1泊2日の山小屋泊登山を強くおすすめしています。1泊2日であれば、山小屋での体力の回復が望めますし、山行日程に余裕をもたせることができ、なにより富士山登山そのものを十分に楽しむことができるからです。
夜間に富士山五合目を出発し、山小屋を利用しないで0泊2日で山行する、いわゆる「弾丸登山」は、体調を崩してしまう登山者がとても多いそうで、おすすめできる山行ではありません。
富士山の登りは吉田ルート標準タイムで約6時間、登山初心者・未経験者がいきなり見通しの悪い夜間に6時間の登りを0泊で踏破するのはハード過ぎると思います。
なので、富士山登山初心者の方には、必要な装備と余裕をもった計画がとても重要になってきます。
ちなみに、「富士山の山小屋の予約が満室で取れない・・・」、という場合でも山小屋泊をあきらめるのはまだ早いのです。
富士山の山小屋がすべて「満室」だったとしても、以下のようなやり方があります。ぜひ、参考にしてみてください。
■実際に登ってみて
実際に富士山にはじめて登ってみると、八合目から山頂までが本当にしんどかったです。
八合目より上になると空気が薄いために息がすぐに切れて、足も思うように上がらず進まず、八合目から登頂までの山行時間が標準タイムの約2倍もの時間かかってしまいました。
天気は、よく晴れて風が穏やかでした。山頂付近には降雪により雪があったものの、滑って登りにくいということはなかったです。
富士山五合目から八合目、山頂からの下りはほぼ標準タイムでしたから、八合目から山頂までが人によっては標準タイム以上に時間がかかる区間になります。
きつかった八合目~山頂でも、自分よりも高齢の方々(概ね60歳代~に見えました)を追い抜きましたから、ご高齢の方は標準タイムより余裕を持った行程計画をおすすめします。
逆に、自分よりも若い人(20歳代~)は、自分を追い抜いていかれる人が多く、息もそれほど上がっていませんでした。なので、若い人は八合目より上でも標準タイムから遅れる可能性は低いのかな…と思います。
ただし、20歳代の方でも、高山病の症状により頭痛と吐き気を訴えながら、途中で下山する人を見かけましたので、過信は禁物だと思います。
息がなんともないからといって、どんどん高度を上げていくことが、逆に高山病になりやすいこともあるのです。ゆっくり体全体を慣らしながら登る方が、高山病になりにくかったりします。
それから、もう一つ、持って行って良かった装備に「トレッキングポール」があります。
トレッキングポールは人によっては邪魔になり、ない方が歩きやすい場合もあります。ただ、それでも体力に自信がない場合には、持っていくことをおすすめしたい装備です。
なぜなら、登りでトレッキングポールをついて、腕の力も使って登ることで、足腰の負担を大幅に軽減できたと思うからです。特にしんどかった、九合目から登頂までは、前のめり姿勢でポールの方に体重をかけないと、足が上がらないような場面もありました。
なので、足腰の負担をやわらげる意味でも「トレッキングポール」の使用をおすすめします。
ちなみに、自分のトレッキングポールはスキー用のストックにウォーキング先ゴムを取り付けて流用してみました。スキー用のストックがあれば、トレッキングポールを購入したり、レンタルするよりもリーズナブルに使用可能です。
確かに富士山登山はしんどいのですが、満点の星空を眺めながらの登山や、雲海からの御来光を見られるなど、忘れることができない景色を堪能できました。
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店舗が富士山五合目(吉田ルート・富士宮ルート)にあるので、登山道具を借りて、返却することが簡単な上に、店舗受け取りとするとお得にレンタルできるからです。
僕の場合、ヘッドライトを持っていなかったのですが、今後の登山で、富士山のように夜間に登る登山をする計画がなかったので、ヘッドライトのみ、レンタルしてみることにしました。
レンタルしたヘッドライトは、PETZLのヘッドライトです。軽くて、明るさも十分で、使用感はまったく問題ありませんでした。レンタル物品の中に、電池切れした場合の予備電池も入っていて、配慮が行き届いていて安心でした。
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