湖沼の周遊コースは、高低差が少なく、初心者のハイキング・トレッキングにおすすめです。
丸沼高原の「丸沼」は群馬県~栃木県の県境付近にある標高1,400mにある「せき止め湖」です。
丸沼自然遊歩道は標高が高いため真夏でも涼しく、遊歩道は高低差が少ないため、登山よりも負担が軽い歩くアクティビティです。
この記事では、丸沼・大尻沼の丸沼自然遊歩道のハイキングのコース、丸沼・大尻沼の景観、ハイキングの注意点などをまとめて解説しています。
丸沼高原・丸沼・丸沼ダム
丸沼高原には、「丸沼」「大尻沼」「菅沼(すげぬま)」という名前の湖沼があります。
これらの湖沼は、北側は四郎岳(2,156m)、燕巣山(2,220m)、南側は螢塚山(1,884m)、座禅山(2,246m)、日光白根山(2,578m)に囲まれた位置関係になっています。
「丸沼」「大尻沼」「菅沼」の成り立ちは、日光白根山の火山噴火によって川がせき止められて出来た典型的な「せき止め湖」です。
なので、実際にその場に行ってみると「沼」というよりも「湖」という感じがしました。
そして、「丸沼」の下流に「大尻沼」がありますが、「丸沼」と「大尻沼」の間に「丸沼ダム」が存在します。
「丸沼ダム」は、昭和6年(1931年)に完成した古いダムで、「バットレスダム」と呼ばれる当時としては先進的な工法で建てられました。
さらに、「丸沼ダム」はバットレスダムの希少性、ダムとしての規模の大きさ、緻密で複雑な設計などが評価され、「国重要文化財」にも指定されている由緒あるダムです。
丸沼ハイキングコースマップ
今回のモデルコースは、丸沼「環湖荘」近くの一般観光客向けの駐車場(無料)に駐車し、大尻沼の中間まで歩き、行って帰ってくるピストンルートです。
全行程で約5km、休憩含めない所要時間が約2時間程のルートで、初心者向きです。
【スタート】環湖荘 駐車場-(5分)-遊歩道 入口-(40分)-丸沼ダムの脇-(15分)-大尻沼折り返し地点-(15分)-丸沼ダムの脇-(45分)-環湖荘 駐車場【ゴール】
もっと、ハードなコースが良い!という場合はコチラの記事もご覧ください。
スタート:環湖荘 駐車場
標高約1,400mの丸沼高原の「丸沼」のほとりに「環湖荘」という丸沼温泉の温泉旅館があります。
環湖荘の建物前の駐車場は宿泊者向けのスペースのため、駐車できません。
しかし、奥の方に行けば、宿泊者以外も駐車できるスペースがあります。
日帰りの場合でも、コチラの「丸沼湖畔亭」で食事や軽食をとることができます。
さらに、「丸沼湖畔亭」の右側に無料トイレがあります。
今回のルート上にはトイレはないため、コチラのトイレに立ち寄ってから出発することをおすすめします。
遊歩道入口
駐車場から歩くとすぐに、「丸沼」が見えてきます。
色はエメラルドグリーンをしていて、周囲にはシラカバなどの木々が生い茂っていました。
車から折りたたみのイスを持ち運んでチェアリング(イスに座ってくつろぐこと)している人たちもいました。
森林浴にも良い場所です。
そして、右手の方へ進むと、大きめで「遊歩道入口」の看板が立っています。
丸沼沿い
遊歩道は、基本的に丸沼の湖畔沿いを歩くルートになっています。
なので、今回のルートの場合、行きは左側に丸沼を見ながら歩きます。
遊歩道は、人間ひとりが歩ける程度の幅の道でした。
笹の葉が生い茂っているところが多くありました。
進んで行くに連れて、丸沼の湖面が離れていきました。行きの丸沼ダムに向かう道は緩い登りのようです。
丸沼ダム
丸沼と大尻沼の間には「丸沼ダム」があります。
なので、丸沼から大尻沼へ行く間にはかなりの落差があります。落差があるということは登り坂・下り坂があります。
なので、丸沼ダムの近辺だけは、登山のように急勾配になっています。
この場所は、丸沼ダムの上部にあたる場所なので、ダムの全形は見れません。
丸沼ダムを過ぎると、下り坂になります。
しばらく歩くと標識がありました。
- 大尻沼取水口まで1.6km
- 環湖荘まで2.3km
と書かれています。
この遊歩道は大尻沼の湖畔を抜けて、丸沼高原スキー場の麓にある丸沼高原ペンション村の方に通じています。
大尻沼
遊歩道を下り坂で歩いて行くと、大尻沼が見えてきます。
大尻沼の湖面の水は澄んでいてきれいでした。
「丸沼ダム」は・・・
コチラは大尻沼の湖畔から丸沼ダムがあるであろう方向を撮った写真です。
肉眼ではダムの手前にある木々のスキマからかすかにダムの全形を見ることができました。
ですが、写真だとちょっと写らないし、わからなかったです。
周囲には大尻沼に流れ込む小川がありました。
水はきれいでしたが、雪解け水のためか、とても冷たい温度でした。
折り返し
今回のルートは、丸沼高原ペンション村の方へ抜けても、環湖荘の駐車場に帰ってきにくくなってしまうため、来た道をそのまま帰ることにしました。
ゴール:環湖荘 駐車場
出発地点と同じ駐車場まで戻ってきたらゴールです。
丸沼高原に泊まるなら
丸沼高原に泊まるなら、丸沼温泉「環湖荘」はおすすめの旅館です。
そのほか、丸沼高原にはペンション村があったり、丸沼高原から少し下って尾瀬周辺にも泊まれる宿がたくさんあります。
服装・装備
今回紹介した「丸沼」の遊歩道ハイキングコースは、アップ&ダウンも少なく、トレッキング・ハイキングとして歩きやすいコースです。
ただ、歩きやすいとは言っても、舗装路ではなく山道になるため、服装・装備はある程度の準備が必要です。
サンダル・ヒールよりもスニーカー、トレッキングシューズ
丸沼自然遊歩道のハイキングコースは、人ひとり~ふたりくらいの道幅の山道で、両側は笹の葉だったり、ちょっとした崖だったりします。
サンダル・ヒールでも歩けなくはありませんが、長時間歩いたときに足を傷める原因にはなりそうです。
スニーカーでも歩けなくはありませんが、ぬかるみや小川では注意が必要です。
ぬかるみで靴が汚れても大丈夫なようにするのなら、ハイカットタイプのトレッキングシューズがおすすめです。
以下は、参考までに紹介していますが、トレッキングシューズは実際に履いてみて、足のつま先、足の横、甲が靴のソールに当たらないことを確認してみることをおすすめします。
長袖・長ズボンで
丸沼高原周辺は、真夏の8月でも、最高気温が23℃程度と涼しい環境です。標高が高いので寒暖差もあります。
遊歩道は歩行中に笹の葉や木の枝が直接皮膚に接触することもあり得ます。
木陰の多い遊歩道ですが、時間帯によっては直射日光を浴びることもあります。
そのため、ハイキング・トレッキングするのであれば、長袖・長ズボンをおすすめします。
トートバッグよりもリュックサック
カバンは、トートバッグのように片方の肩にかけるタイプのカバンではなく、リュックサックのように両肩で支えるタイプのカバンをおすすめします。
アップ&ダウンは少ないですが、丸沼ダムの前後には登り坂がでてくるので、片方に掛けるカバンだと不安定だし疲れやすいためです。
帽子
日焼け予防のために、帽子はなるべく被って行くことをおすすめします。
丸沼高原は標高1,400mと高度なため、紫外線も平地より強くなる傾向がありますし、長時間のハイキングでは浴びる紫外線量が多くなるためです。
木陰のあるルートですが、時間帯によっては直射日光になります。
くま鈴
丸沼高原周辺では、過去に近くにある丸沼高原キャンプ場でクマの目撃情報が出ています。
そのため、不安があれば「くま鈴」を持っていくことをおすすめします。くま鈴は、クマに音で人間の存在を知らせて、近づいてこないようにさせるための鈴です。