『鋸山』の登山コースや見どころは?『ラピュタの壁』とは?

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鋸山』は関東圏から比較的気軽に行くことのできる低山です。

鋸山の特長は、車で頂上付近まで行けてしまうことやロープウェイの走っていること、東京湾の向こうに富士山を見ることができる景色も魅力です。

鋸山には「日本寺」という山寺があり、境内を散策することができます。鋸山周辺は昔は良質な石の産地であったため、各所に石切り場があります。この石切り場の壁面が、「ラピュタ」(「天空の城ラピュタ」監督:宮崎駿、スタジオジブリ作品)に出てくるワンシーンとよく似ていることが話題にもなりました。

この記事では鋸山の見どころおすすめのコースアクセス情報を解説します。

■鋸山(のこぎりやま)の基本情報

鋸山のロケーションは、千葉県富津市と鋸南町の境界にそびえており、清澄山地の西端にあたります。

千葉房総半島の西岸側に位置し、ちょうど東京湾の入り口になる場所です。

鉄道(電車)の最寄駅は、JR内房線「保田駅」または「浜金谷駅」です。

車でいく場合、富津館山道路の「富津金谷IC」または「鋸南保田IC」が最寄りとなります。

今では「鋸山、のこりぎやま。」と呼ばれていますが、実は正式な名称ではありません。

正式名称は、「乾坤山(けんこんざん)」と言います。

鋸山は昔から建築資材として採石が盛んに行われていたため、岩肌が露出した山となりました。遠くから、岩肌が露出した部分を見ると、まるで鋸山のように見えたことから「鋸山」と言われるようになり、今ではむしろ「鋸山」と呼ばれる事の方が普通になってきました。

鋸山は、海から見た時に特徴的であるため、東京湾の入り口の目印ともされています。

鋸山の特長は、以下の通りです。

鋸山の特長
  • 標高は、329.4m であり、低山に分類される。
  • 体力に自信がない人や時間がない場合は車で頂上付近まで行ける。
  • ロープウェイでも頂上付近まで行ける。
  • 昔は良質な石の採れる産地であった。
    それで、ラピュタに似た石切り場跡の壁が話題に。
  • 「日本寺」という山寺がある。
  • 東京湾の向こうに富士山を望む景色がすばらしい。
  • 秋〜初冬は紅葉を楽しむことができる。

■鋸山の見どころは?

鋸山展望台

鋸山の展望台はあちらこちらに数か所設置されています。周囲の視界を遮る他の山がないため、眺望が素晴らしいことで有名です。

東京湾に面しているため、天気に恵まれれば湾の向こう側の富士山三浦半島を見渡すことができます

特に東京湾を挟んで臨む富士山の眺めは、国土交通省認定の「関東の富士見100景」にも選ばれた景色なのです。

日本寺(にほんじ)

鋸山の南斜面にある日本寺(にほんじ)は、聖武天皇の勅詔を受けて、西暦725年に行基菩薩によって開かれた関東最古の勅願所です。

10万坪余り(東京ドーム約7個分)の境内には、大仏様(薬師瑠璃光如来)、百尺観音像、千五百羅漢石像群などをお参りできる散策コースがあります。

  • 住所:千葉県安房郡鋸南町鋸山
  • 電話番号:0470-55-1103
  • 拝観時間:午前8:00 ~ 午後17:00
  • 拝観料:大人600円 小人(4~12歳)400円

地獄のぞき

高いところが好きな方におすすめなのが『地獄のぞき』と呼ばれるスポットです。

地獄のぞきとは、鋸山を象徴するビュースポットで、岩肌が露出した断崖絶壁の頂点に、まるで地獄をのぞき込むような岸壁から突き出した形状の展望台のことです。

ラピュタの壁

鋸山はかつて「房州石」と呼ばれる良質な石の産地でした。環境保護の観点から現在は石の生産は行われていませんが、石を切り出した石切り場と呼ばれる跡地がいくつか残されています。

この石切り場の風景が、ジブリ映画の『天空の城ラピュタ』に出てくるシーンとそっくりなため、いつしかネット上で「ラピュタの壁」と呼ばれ、観光客が集まるようになりました。

ロープウェイ

鋸山にはロープウェイがあります。このロープウェイを利用すれば、登山で歩くことなく山麓から山頂付近まで行くことができてしまいます。

  • 営業時間:9:00~17:00(2/16~11/15)
    9:00~16:00(冬期:11/16~2/15)
    ※通常15分間隔で運行
  • 定休日:なし。ただし、1月中旬に検査による休業あり。
  • 料金:大人 片道500円、往復930円
    小人(6~11歳) 片道250円、往復450円

■鋸山の登山の服装は?

登山をする場合

鋸山にはロープウェイが走っており、歩くことなく山頂付近まで行くことができます。

しかし、登山する場合は少し話は別です。鋸山の登山道は自然な状態の登山道がほとんどです。

そのため、登山用のトレッキングシューズや帽子、飲み水を携帯するなどのそれなりの準備をして行った方が安全です。

日本寺境内を散策する場合

境内は歩きやすく整備されてはいますが、山寺のため階段が多く一部急斜面もあるので、トレッキングシューズや歩きやすく履きなれた靴がよいでしょう。

ロープウェイや車でほとんど歩く予定がない場合

それでも未舗装で傾斜のある歩道もありますから、歩きやすく履きなれた靴がいいと思います。サンダルやヒールでは歩きにくい場面があると思います。

■鋸山のおすすめのコース、周り方

電車で行くことを前提に、鋸山のおすすめのコース、周り方を紹介します。

今回紹介するコースを車で行く場合は、日本寺側を下らず、来た道を下るか、電車で1駅乗って戻るなどのアレンジが必要になります。

コース概要

【スタート】JR浜金谷駅(はまかなやえき)―(10分)→観光案内所(石の舎)→関東ふれあいの道~車力道コース(登り:60分)→東京湾を望む展望台ー(10分)→鋸山山頂ー(20分)→石切り場跡ー(5分)→ラピュタの壁―(10分)→日本寺(北口管理所※要拝観料)→日本寺境内(見学ペースにより異なるが30分~2時間程度)→表参道~遊歩道(40分)→JR保田駅(ほたえき)【ゴール】

1. 浜金谷駅

鋸山の登山コースは、大別すると、浜金谷駅から出発し、保田駅側に下るコースと、その逆のコースがあります。

今回は、「JR浜金谷駅」を出発するコースです。

2. 観光案内所(石の舎)

浜金谷駅のすぐ近くに観光案内所があります。もし、時間があれば、ここで周辺の観光情報を手に入れておきましょう。

さらに、ここでトイレ休憩をしておく事をおすすめします。なぜなら、ここからしばらくはトイレがないからです。

3. 関東ふれあいの道~車力道コース

鋸山の登山道は木々に囲まれており、斜度もけっこうあります。かつてはこの道を荷押し車に切り出した石を載せて、人力で運んでいたそうです。

荷押し車で石を運ぶ人は「車力」と呼ばれていました。

だから、このコースを「車力道」と呼ぶそうです。しかも、「車力」は主に女性の人の仕事だったというから驚きの話です。

鋸山 車力道コース

車力道コースには、このような急な階段もあります。

鋸山 急な階段

そして、この標識が出てきたら、「東京湾を望む展望台」の方に進みます。ちなみに「鋸山山頂」まで行ったら、Uターンしてまたここに戻って「石切り場跡」の方へ進みます。「石切り場跡」の方へ進むと、「ラピュタの壁」があり、さらにその先が「日本寺」や「地獄のぞき」へと通じています。

鋸山 標識

4. 東京湾を望む展望台

東京湾の向こうに富士山が見えます!

鋸山 東京湾を望む展望台 富士山

東京湾を一望することができ、良い眺めです!

鋸山 東京湾を望む展望台

5. 鋸山の山頂

鋸山の山頂に到着しました。実は、鋸山の山頂からの景色は先ほどの東京湾を望む展望台よりも良くはありませんでした。

鋸山の山頂にはベンチがいくつかあり、ちょうどお昼の時間だったため、山頂で昼食を食べることにしました。

鋸山の山頂からのルートは2つあります。

ひとつはここまで登ってきたルートで、先ほどの標識まで戻り、石切場跡や日本寺の方に行くルートです。

もうひとつは、鋸山林道口の方からぐるっと回りこむように保田駅に行くルートです。こちらは日本寺を通らず、歩く距離も長くなってしまいます。

今回は、石切場跡や日本寺を見学したいため、ここまで登ってきた道を折り返すルートにしました。

鋸山 山頂

6. 石切場跡

鋸山 石切場跡

ラピュタに登場する壁にそっくりな壁(石切り場跡)です。

映画の中で、ラピュタの内部へ入っていくシーンで、ラピュタの内部の景観とそっくりではないでしょう? 

壁の大きさも手前の木と比べて頂くと、巨大さがわかると思います。このような石の切り出しを機械を使わず人の手だけでやっていたのですから驚きです。

鋸山 石切場跡 ラピュタ

かなりの急斜面ですが、犬が散歩していました。

鋸山 登山道 犬の散歩

7. 地獄のぞき~日本寺

日本寺の北口管理所で、拝観料をお支払いして、日本寺の境内に入ります。

ここからは、日本寺の境内の見どころになります。

地獄のぞきを下から見上げます。

あの先端まで行って、上から見下ろすこともできます。

鋸山 地獄のぞき

日本寺の境内には見どころが多々ありますが、摩崖仏である日本寺の大仏は高さが約30mもあり、その大きさに驚きます。

写真のバックの山の斜面に写っている木々と比較すると、大きさがなんとなくわかります。

鋸山 大仏

今回鋸山に登った時期は12月初旬ですが、日本寺境内のもみじは紅葉が始まったばかりの様子でした。鋸山の紅葉の時期は他の場所よりもやや遅いのかもしれません。

鋸山 日本寺 紅葉

8. 表参道~遊歩道

日本寺を出ると、あとは、保田駅に向かって歩いていきます。

ゆっくり時間をかけて周遊したので時間が遅くなってしましましたが、ちょうど、東京湾に沈む夕日が見れました。

鋸山 登山 夕日

9. 保田駅

出発した浜金谷駅の1駅お隣の駅となる「JR保田駅」に到着です。

ここで、鋸山登山のコースは終了です。

保田駅から東京方面の電車は、本数が少ないので、なるべく電車の時間にあわせるように歩くことをおすすめします。

■鋸山登山の注意点

鋸山を登山するときの注意点です。

鋸山の登山の注意点
  • 車力道コースは途中にトイレが設置されていません。なので、登山の前に「観光案内所(石の舎)」で用を済ませておくと安心です。
  • 鋸山の山頂や展望台でお弁当を食べる場合は、トンビに気を付けましょう。お弁当をトンビに狙われ、持っていかれてしまうこともあるようです。
  • 内房線は電車本数が1時間に1本と少ない。そのため、帰りの「保田」駅の到着時間に注意が必要です。
  • 日本寺の境内は有料です。鋸山の山頂付近から保田駅側が日本寺の境内になり、北口管理所で拝観料を納める必要があります。

■鋸山へのアクセス情報

鋸山へのアクセス情報です。

電車の場合

JR「東京」駅より、京葉線経由、内房線「浜金谷」駅もしくは「保田」駅下車
※ロープウェイを利用する場合は「浜金谷」駅下車。
※車力道から登る場合は「浜金谷」駅下車。

東京 ---(総武線快速)---> 千葉 ---(内房線)-----> 浜金谷
東京 -----(京葉線)----> 蘇我 ----(内房線)-----> 浜金谷
どちらも、片道約2時間10分で、\1,944円(ICカード)

※表参道から登る場合は「保田」駅下車。
東京 ---(総武線快速)---> 千葉 ---(内房線)-------> 保田
東京 -----(京葉線)----> 蘇我 ----(内房線)-------> 保田
どちらも、片道約2時間15分で、\1,944円(ICカード)

車の場合

※ゴールデンウイーク、シルバーウィークなどの連休中は車は大渋滞し、駐車場もかなり混雑します。

最寄りのICは、富津館山道路・富津金谷IC
県道237号、国道127号を経由して、浜金谷駅周辺まで約5km。
浜金谷駅周辺(鋸山登山口周辺)の駐車場は以下がおすすめです。

のこぎり山パーキング
無人で近所の方がやっているパーキングのようです。
・台数:3台
・料金:500円/1日

■まとめ

鋸山の登山コースや見どころは?
  • 鋸山の見どころは、遠く富士山まで見渡せる景色、百尺観音や大仏がある日本寺、地獄のぞき、ラピュタの雰囲気によく似たラピュタの壁などがあります。
  • 鋸山は、本当の名前は「乾坤山(けんこんざん)」と言い、昔は良質な石材の産地でした。
  • 鋸山のおすすめの登山コースは、紹介した「車力道コース」です。なかなかの急勾配です。
  • 鋸山までのアクセスは電車がおすすめですが、車で行っても格安な駐車場が探せばあります。ただし、車の場合、ゴールデンウイークなどの繁忙期は道路や駐車場の混雑度が高いため注意が必要です。
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