富士山は標高が3,776mと日本一の高さを誇る山です。
開山期間は7月下旬~9月上旬と2ヶ月間に満たないわずかな期間にもかかわらず、約30万人もの登山者が訪れる人気の山です。
富士山の登山は、山頂で御来光を見る、御来光登山を目指す人が多いです。
御来光を山頂で見るためには、山小屋を利用して、1日目の昼間に八合目~九合目まで登っておいて、2日目の日の出前に山頂に向けて登る行程になります。
では、富士山で、山小屋を利用した、御来光を見る登山に必要な持ち物はどんなものがあるのでしょうか?
この記事では、富士山の登山に必要な持ち物を、登山道具、衣類、日用品、食料・水、その他にわけて詳しく解説しています。
この記事を読めば、富士山の登山で必要な物、必要な道具、持って行った方が良い物、逆に必要ない物がわかるようになっています。
登山道具
1. 帽子
日差しを防ぎ、熱中症を予防するために必要です。特に夏の富士山は紫外線が強いため、つばの広い帽子がおすすめです。
富士山は風が強い場合もあるため、あご紐や流れ止めのある帽子がおすすめです。
登山に帽子は必要なのか?別に要らないのでは?と、聞かれることがあります。個人的には登山に帽子は必要で、むしろ必須なくらいに思っています。
2. サングラス
高所では紫外線が強く、五合目より上の富士山は日差しを遮る樹木はほとんどないため晴天時は直射日光を浴びることになります。
そのため、目を直射日光から保護するためにも必要です。UVカット機能がしっかりしているものを選びましょう。
普段の日常使いのサングラスでも大丈夫ですが、スポーツタイプのサングラスの方がおすすめです。
3. 登山リュック、バックパック
富士山登山には30〜40リットルの容量が適しています。
山小屋を利用する場合、1泊用の荷物を持ち運べる容量が必要です。
登山では、前面やサイドにポケットがあると小物の取り出しが簡単にできて便利です。
腰まわりがベルト固定できるタイプのほうが、歩行時に安定するとされています。
雨の中を歩行することも想定して、雨よけザックカバーが不随しているタイプのザックがおすすめです。
4. トレッキングポール
足への負担を軽減し、バランスを取るのに役立ちます。
人によってはポールはない方が歩きやすいという人もいますが、富士山登山にはあった方が全体的な疲労は少なく、また足腰への疲労の集中もないのかなと思います。
折りたたみ可能で、長さ調整ができる持ち運びしやすいものタイプがおすすめですが、長さ固定タイプでも問題はありません。
スキー用のストックを登山用に流用する方法もあります。
5. 水筒
夏の富士山登山では、水分補給が非常に重要です。
軽量なプラスチック製のボトルで飲み口が広くて飲みやすいタイプがおすすめです。
歩行しながら飲水できるチューブの付いたハイドレーションパックなどもありますが、やや上級者向きと思います。
冷たい飲み物を保つために、保冷効果のあるボトルもありですが、重量が重くなることが難点です。
初心者におすすめなのは、軽さを優先した軽量の水筒です。
軽量の水筒とは、コチラの記事で紹介しているナルゲンのプラスチック樹脂ボトルです。
6. 登山靴
富士山は岩場も多いので、しっかりした登山靴が必要です。
雨の中を歩行する可能性もあるため、防水性とグリップ力のある靴を選びましょう。
富士山の岩場は急斜面で接地面が少なくとんがった形状のところもあるため、スニーカーではなく登山靴が良いと思います。
登山靴にはハイカットとローカットタイプがありますが、富士山の登山道は砂場のような細かい砂利の道で砂が靴の中に入らないようにハイカットタイプの方がおすすめです。
さらに、ハイカットタイプの方が足首の負担が少なく、足をくじく心配もありません。
7. ヘッドライト
富士山登山で、御来光を見たい場合は夜間に山頂に向かうことになります。
そのため、ヘッドライトは必須です。手を使わずに照らせるので、トレッキングポールと併用できます。予備の電池も持っていくとより安心です。
富士山の登山道には当然街灯はありません。
なので、日が落ちたらまっくらで何も見えないです。
御来光を見るために夜間登山をしない計画であっても、万一、日没後に歩くことになった場合に備えて、ヘッドライトを持って行くことをおすすめします。
8. レインウェア
山の天気は変わりやすいので、防水性が高く、透湿性のあるレインウェアがおすすめです。
レインウェアといっても高価なものから安価なものまで様々ですが、いわゆるコンビニで買える「雨ガッパ」は、富士山の強風&雨の状況においてはあまり役立たないため要注意です。
富士山の場合、レインウェアは晴れでも防寒着として活躍します。
御来光を見る登山の場合、夜明け前の一番気温が低い中を山行することになりますが、そうした場合に風よけや防寒着としてもレインウェアが活躍します。
ただ、レインウェアは高価です。
外部からの雨と風は遮断し、内側からの水蒸気は外部へ逃がすために特殊な素材(主にゴアテックス)が使われるため、ジャケットで3万円台、パンツで2万円台と上下あわせると5万円台になります。
なので、レインウェアはレンタルするという手もおすすめです。
レンタルだと、4千円程度で1泊2日レンタルでき、1/10以下の予算で済みます。
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9. エマージェンシーシート
もしもの時のために、緊急避難用のエマージェンシーシートを持っておくと安心です。
体温の低下を防ぐことができ、夜間の急激な冷え込みにも対応できます。
10. シュラフカバー
山小屋でシュラフ(寝袋)を使用する際に、シュラフの中に入れて使います。
ホテルのベッドのシーツのような役割を果たし、清潔を保つために使用されます。シュラフカバーは軽量でコンパクトなものを選ぶと良いです。
ただ、シュラフカバーはかさばる上に、重量もややあるので、必ずしも必要なアイテムではないと思います。
山小屋のシュラフにそのまま入ることに抵抗がある場合を除いて、不要だったりします。
顔や首などだけタオルを間に挟むだけでもずいぶん快適です。
シュラフカバーは、人によって持っていくかどうか吟味が必要です。
衣類
富士山登山では、8月でも山頂の明け方の気温は0度前後にも下がり、これに強風が加わると体感温度は-5度くらいまで下がります。
そのため、2日目の夜間に山頂を目指す御来光登山では、特に寒さと風への対策が重要です。
寒がりな方は特に入念に、衣類の装備を確認しておく必要があります。
とはいえ、夏の富士山登山は良く晴れた五合目付近の登りでは、半袖がちょうど良いこともあります。
なので、天気の条件にもよりますが、富士山登山は真夏の服装から、真冬の服装まで装備として必要ということになります。
1. ダウン(コンパクトにたためるタイプ)
軽量でコンパクトに収納できるダウンジャケットは、防寒対策の必需品です。夜間の登山や山頂での御来光待ちの際には、特に寒さ対策のために必要なアイテムです。
2. フリース
防寒対策として、軽量で保温性の高いフリースも持っていくと安心です。山頂付近での防寒にも適しています。
中間着として一番寒いときに、ダウンの下に着用します。
フリースを持っていない場合は、厚手のスウェットやトレーナーなどでも代用できます。
3. インナーウェア
速乾性と保温性のあるインナーウェアを選ぶと、汗冷えを防げます。夜間の寒さ対策としても重要です。
インナーウェアも大きく夏登山用と冬登山用がありますが、富士山登山の場合には夏登山用のものがおすすめです。
理由は、夜明け前の一番寒くなる時間帯の山行では確かに真冬のような体感温度になりますが、富士山登山の全行程から見るとその割合は少ないので、インナーウェアは夏登山用のものが全体的に快適です。
4. 手袋
寒さ対策に防風性のある手袋を用意しましょう。夜間の冷え込みに備えて、防寒性能の高いものを選ぶと良いです。
富士山登山では雨の中歩行する可能性もあります。
そのため、手袋は保温を目的としたものと、防風防寒を目的としたものの2種類を持っていくことがおすすめです。
5. 登山用くつ下
登山用くつ下は、厚手でクッション性のあるタイプと、やや薄手で速乾性のあるタイプがあります。
さらに、着圧のあるタイプとないタイプ、五本指タイプと普通のタイプなどがあります。
富士山登山においては、夏登山になるため、やや薄手で速乾性のあるタイプがおすすめです。厚手でクッション性のあるタイプはどちらかというと冬登山向きです。
着圧や指の形状については、個人の好みで選んで良いと思います。
日用品
1. タオル
汗を拭いたり、濡れた手を拭いたりするために必要です。速乾性のタオルがおすすめです。
2. 日焼け止め
高所では紫外線が強いので、日焼け止めをこまめに塗り直しましょう。
3. 汗拭きシート
汗をかいた時にさっぱりとしたいときに便利です。
4. 歯ブラシセット
富士山登山で山小屋を利用する場合、水が貴重なため、歯みがき・洗面としての利用を禁止している山小屋があります。
しかし、逆に歯みがきOKとしている山小屋も数多くあります。
なので、登山とは直接関係ありませんが、休息の質を高める目的で歯ブラシセットを持参していくことをおすすめします。
5. スマホの充電器
富士山の山小屋にはスマホを充電するための設備がある山小屋もあります。
なので、スマホの充電器を持って行くことをおすすめします。
ただし、山小屋によっては充電設備がないこともありますので、その場合にはモバイルバッテリーを持っていくと安心です。
食料・水
1. 飲料水
水は最も重いですが、しっかり持っていく必要があります。
山小屋で購入できる場合もありますが、\500円程度と高価なので、事前に用意しておくと良いでしょう。
必要な飲料水の量は、富士山登山の場合、2リットル前後と言われています。
ただ、山小屋を利用する富士山登山の場合は、山小屋での食事の際にお茶や汁物からも水分の補給ができるため、飲料水として必要な量は2リットルよりも少ない印象はあります。
2リットルの水はそのまま重さになるので、体力に自信がない場合は、少なめにして、途中の山小屋で補充する方法もアリです。
2. 行動食
エネルギーバーやナッツ、チョコレートなど、手軽に食べられ、好きなものを持っていきましょう。夜間の登山中や山頂でのエネルギー補給に便利です。
登山では、食べることもしたくない程に疲労してしまうこともあります。
疲れ過ぎで食欲がなくなってしまうのです。
しかし、登山においては疲れ過ぎて食欲がないからと言って、食べないこともNGだったります。食べないことで体力が回復せず、やがて本当に動けなくなってしまうこともあるからです。
そうしたときには、ゼリー状の栄養補給食がおすすめです。
ゼリー状で味が好みだと、食欲がなくても食べれることが多いです。
その他
1. 現金
富士山の山小屋の売店ではクレジットカードや電子決済はほぼ使えず、現金支払いがメインです。
そのため、現金を持っていく必要があります。
富士山のトイレはチップ制で利用するために、1回\300円が必要です。そのため、100円玉を多めに持っていくと便利です。
2. 耳栓
富士山の山小屋は、隣の人の仕切りはカーテン1枚だったります。
富士山の登山では御来光登山をする人が多いため、午前2時にいったん電気がついて、出発準備をはじめる人も多く、足音や話し声が聞こえてきます。
そのため、山小屋での宿泊時に、周りの音が気になる方は耳栓があると便利です。
3. ゴミ袋
富士山登山ではゴミはすべて持ち帰ることがルールになっています。
なので、ゴミを入れる用の袋を必ず持参するようにします。
まとめ
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